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高森明勅
2016.6.19 09:10

「立憲主義」なら憲法改正

近来、立憲主義という言葉を比較的よく耳にするようになった。

ところが、護憲と立憲主義の区別がついていないか、
敢えて混同して
いるようなケースをしばしば見かける。

憲法に基づいて国家権力を行使する立場が立憲主義。

与件としての憲法をひたすら死守する、
というスタンスとは異なる。

憲法に基づいて国家権力を行使するというのは、
言い換えると権力を
行使する際に、
憲法による制約が前提になるということ。

この場合、憲法は“制限”規範としての性格を持つ。

一方、その制約の下に行使される限り、権力は正当化される。

この場合、憲法は権力正当化の根拠である、“授権”規範ということに
なる。

言うまでもなく、両者はコインの表と裏の関係。

では立憲主義から見て、
わが国の自衛隊はどう位置付けられるのか。

憲法によって正当化され得る存在なのか、どうか。

憲法学上の通説は今も「憲法違反」。

ならば立憲主義の立場からは、
果たしてリアリティーがあるか否かは
ともかく、
自衛隊の解体を求めるのが筋。

だが、もし何の手当てもなく自衛隊を解体すれば、アメリカへの依存と
従属はより決定的に。

その結果、憲法の“上”にアメリカの意思が置かれている現状は一層、
固定化される。

それは立憲主義の自己否定に他ならない。

では、これまでの政府解釈のように、自衛隊は「戦力」
未満だから
合憲、つまり憲法により正当化され得る、
との立場ならばどうか。

この場合も、軍隊として行動出来ない「戦力」未満の自衛隊のまま
では、
いつまでも対米従属から抜け出せない。

それによって、これまで通り憲法の上にアメリカの意思が置かれ、
憲法の解釈や運用もそれに従う状態を、だらだらと継続する他ない。

これ又、立憲主義に反するだろう。

そもそも、自衛隊「違憲」論を維持しながら、その存在を黙認し、
憲法の上にアメリカの意思が置かれた状態を本気で打開しようとも
しない「護憲」なんて、単に欺瞞的であるだけでなく、およそ
立憲主義とは相容れない。

では立憲主義を貫くにはどうすべきか。

憲法を文字通り“最高”規範たらしめ得る条件を手に入れるしかない。

それは、対米従属を解消し、国家として自立の道を選らぶということ。

具体的には、現在及び予見し得る将来の国際情勢を踏まえる限り、
「戦力」の保持は欠かせない。

だが、今の憲法のまま「戦力」を保持するのは、立憲主義を蔑ろに
することだ。

かくて立憲主義を堅持する
上で、「戦力」保持の為の憲法改正は
どうしても避けられない。

立憲主義なんてゴミ箱に捨てればよい、というのであれば話は別。

だが、立憲主義を尊重しようとするならば、結論はそうなる。

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「民主主義という病い」

平成28年7月10日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

710日(日曜)開催の「ゴー宣道場」のテーマは、

『民主主義という病い』である。

 

『民主主義という病い』は持論・暴論で済まされ

ないように、しっかり名著・哲学書を参考にして描いている。

それゆえ今までの『ゴー宣』よりクールかもしれない。

だが、知識人があまりにデタラメな民主主義論を繰り広げる

ので、このような描きかたをせざるを得なかった。

当日はゲストとして、思想家の東浩紀氏と、

ジャーナリストの青木理氏を招待することになった。

民主主義を論ずるなら、この2人がいかにも適任だろう。

東氏のゲンロンカフェの生中継も入るかもしれない。

当日はもちろん本の感想に留まる話ではない。

現在の政治状況や安倍政権の評価、民進党や野党の評価、

18歳選挙権のことなどを議論しながら、「民主主義」、

あるいは「民主制」について、とことん語り合いたい。

左派系の知識人は安倍政権を「独裁」と言うが、それが

民主主義で選んだ独裁なのだから、否定するのはおかしい。

民主主義大好きな者たちが、安倍政権を独裁と批判すること

自体が論理矛盾なのだ。

それがいかに「民主主義」を考えてないかの証明である。

『民主主義という病い』を読んで、学習してもらい

たいものだ。

710日の「ゴー宣道場」は、参院選の投票日の開催になる。

午前中に投票に行って、参加するのもよし、道場の議論を

聞いてから投票に行くのもよし、民主制のど真ん中で

議論をしようではないか。

「ゴー宣道場」参加応募締め切りは629日(水曜)である。

この日は熱いイベントになるぞ!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成28年6/29(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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